銀座若旦那の会

銀座にも町内会はある。
数えたら23あった。
その他にも、通り毎の町内会、大銀座祭りの為の連合会など、数えたらいくつあるかわからない。
また、ロータリーも、銀座には三つある。
私は、そのなかでも、銀座新ロータリーと銀実会と称する、いわゆる銀座の若旦那の会に所属している。
若旦那の会だから、40歳が定年で、それ以降は、OBと称されるのだが、高齢化の波は、ここにも押し寄せていて、現在、0Bが過半数を遥かに超えていると思う。
私が銀実会に入会したのは、28歳の頃で、番町小学校のクラスメートの推薦で入会した。
でも、そのクラスメートの1人は、いかにも銀座の若旦那といった風であったが、酒と煙草がたたったのだろう、もう鬼籍に入ってしまった。
もう1人は、お店を銀座から京橋に移転してしまった。
新規転入組新入生の小生が、残って、今に至っている。
銀座は、2万店の飲食物販店があるが、毎年、その3分の1が入れ替わる。
その激戦区の中で、長く生き残った店が、老舗となる。
老舗の街銀座は、新陳代謝が絶え間のない、激戦の街なのだ。
銀座を照らす松明となる木は、全国から集まって来る。
28歳の泰成君は、今月、70歳を迎える。
銀座の御隠居に相応しい歳、風貌になってしまった。
60歳の時はなんとも思わなかった。
でも、古希、70歳になるのは、未だ受容できない。
精神的に、反抗、拒否しているのだ。
銀実会の眼鏡店で、べっ甲のメガネを買った。
メガネを掛けた鏡で見る我が顔は、父の顔ではなく、祖父の顔だった。
周りの人間に、お似合いです、などと言われると、複雑な心境になる。
それだけ、歳をとったのですよ、湖山さん、と言われているような気がするのだ。
年寄りの僻み根性と思っていただきたい。
意地悪ばあさんならぬ、ボケ老人のお爺さんの役どころが回ってきたのだ。
それならば、納得するしかない。
昨夜は、銀実会に入会する時に、推薦人になって頂いた先輩のお寿司屋さんに行った。
後輩のメンバーが、誕生日を祝ってくれたのだ。
銀座で最初に行った、お寿司屋でもある。
今は、その御子息がついでいる。
銀座の若旦那も、世代交代が進んでいる。
私の頃は、女性会員はほとんどいなかった。
婿の男性が、入会していた。
今は、女性の方が目立つ。
女性の理事長も生まれた。
さすが、銀座だと思った。
銀座は、いつも、流行の先端を行く革新の街だ。
銀座は、若い。
若いのだ、銀座は。
私は、やっと、銀座のお客になれたのだ。
銀座の御隠居になったのだ。
銀座は、働くより、遊びに行く街だ。
今やっと、年季奉公が明けて、遊ぶ事が許されたような気分だ。
銀座の街を、今は珍しい鼈甲のメガネをかけて歩いている、アンパンマンを見かけたら、それが、今の泰成君です。
ソフトハットと、杖は、80まで、待ってください。
もう、用意はしてあるのですが。
血糖217 おつまみ用のゼリーとチョコレートのせいです。紅茶で食べています。
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長 日本棋院評議員 銀実会OB
湖山 泰成