ジングル・ベル

私は、28歳の時に、銀座の救急病院の仕事を始めた。
その年の忘年会、クリスマスパーティーは、数えたら25回あった。
今でもその数字を覚えている。
給料でもボーナスでも足らなくて、母親にお金を借りた。
何と言う時代だったのだろう。
世の中は、特に銀座は、バブルの真っ最中だった。
年の瀬は、酔っ払って、駅の階段から転げ落ちて病院に運ばれる人が必ず1名はいた。
アルバイトの、大学からの当直医師が、酔って遅れてきて、その場で首にしたのを覚えている。
その若い女性医師の赤い顔も覚えている。
私は、若かった。
コロナもあり、最近は、その手のパーティーがなくなった。
でも、毎年欠かさず出席するパーティーがある。
社会福祉法人の母子支援施設である。
昨日も、ボランティアのピアノとバイオリンの音を間近に聴いた。
施設のお母さんと子供と一緒に。
騒ぐ子供がいても、誰も気にしない。
演奏者も慣れたものだ。
こういう施設での演奏に慣れていて、毎年、来てくださっているのだ。
感謝に耐えない。
施設では、母親にも、子供にもクリスマスプレゼントを用意していたが、それだけではなかった。
普段は、カウンセリングルームになっていたと思うが、その部屋がお菓子で飾られていた。
埋め尽くされていた。
まるで、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家である。
子供の喜ぶ事と言ったらない。
普段は、なかなか部屋から出てこない引きこもりがちな子供も、出てくると思う。
制作チームの力作も、1時間で子供達が、自分で選んで、袋いっぱいに持って行った。
子供にとって、美味しいお菓子は魔法だ。
子供の時にこそ、本当においしい、本物の味を知っておいおて欲しい。
お米でも、魚でも、果物でも、お菓子でも。
絵本も、映画もそうなのだが。
そして、職員も共に楽しんでもらう。
味わってもらう。
プレゼントを貰う喜びも、差し上げる喜びも。
同じ施設で、暮らすも働くも、同じ時間と同じ感動を共有する。
湖山の時間は、私の人生の思い出の時間でもある。
司会をしてくれた、小学校2年生の男子は、昔の私に似ていたような気がする。
彼は、その日、立派にその任を果たした。
彼に紹介された理事長は、立派に任を果たしおおせたか、今、反省している。
もっと、出来ることがあったのではないか。
毎年、悩む。
昔、送ったツリーの飾りが、まだ少ないままなのが、気になった。
昨夜は、帰りに、もらった、アンパンマンの顔のパンを食べならがら、考えた。
涙と共にパンを食べた者にしか、人生の味はわからないと言う。
今、私は、涙と共にパンを食べている。
でも、笑顔で、嬉しくて、楽しくて。
昨夜のスタッフも同様だと思う。
神は、思う者全ての人に、語りかけてくださる。

パルスオキシメーター 96・97・97
体温36.7 血糖149

鐘の音が聞こえる 代表 湖山 泰成

【銀座湖山日記】

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