三叉路

泰成君は、小学校6年生、来春は中学生になる。
大晦日の夜は、母が茹でてくれた蕎麦を食べる。
そして、除夜の鐘をテレビで聴いて、深夜には、家族で車で出掛けて、東京タワーに行く。
私が先頭で、タワーの非常階段を登った。
今でも、そのタワー登りは良く覚えている。
上にも、下にも人が寒そうに手を繋ぎながら階段を登っている人達が見える。
家族連れも多い。
皆、東京タワーの展望台目指している。
初日の出を拝む為である。
泰成君は、長兄で、中学生になれば大人に一歩近づくと、新年を迎える強い思いを持つ。
泰成君は頑張っているが、今思えば、両親は大変だったろう。
56年前の両親は、子供の希望ならば、大晦日深夜からドライブに出掛けてくれた。
深夜の初日の出は、展望台から良く見えたはずだが、あまり記憶がない。
人の頭で、あまり拝めなかったのかも知れない。
その後は、エレベーターで、一気に下山。
後は、車で寝ていたのだろう。
元旦の記憶はない。
大晦日や、元旦は、何か思うところがあれば良いのだが。
私は、父を亡くし、コロナ以来、毎朝、元旦を迎えるような気分で朝を迎える。
日の出を拝んで、頭を下げ、今日の無事を祈る。
そのような気分で、毎朝、朝を迎える。
今年も最後ませ、気の許せぬ毎日だった。
今日1日も、気を許せるわけではない。
プーチン大統領や、ゼレンスキー大統領は、どのような気持ちで今日を迎えるのだろうか。
今の東京に爆撃はないが、毎朝、今日は地震はないだろうかと、怯えて、水と食料の蓄えを心配する。
蟄居は、防空壕なのか、都会のソロキャンプなのか。
私は、子供の時から偉人伝が好きで、大人になっても成功者の伝記は全て読んでいる。
世界的な政治家や、経営者の。
チャーチル、サッチャー、ジョン・F・ケネディ、毛沢東、ニクソン、キッシンジャー、スティーブ・ジョブス、ビル・ゲイツ。
冒険小説が好きなのも、ヒーローの人物像と、その人生が際立っているからだ。
父の友人の、大企業のトップからは、沢山のアドバイスを頂いた。
記憶に残っているのは。
成功した人と付き合いなさい。
運の良い人と仕事をしなさい。
成功すると、信念と自信を持ちなさい。
自分の運を信じなさい。
一方、肩の力を抜いて、謙虚になりなさい。
優秀な人と仕事をしなさい。
人を信用してはいけません。
来年は、どの道を行けば良いのか。
右と左の間に、正しい、真っすぐな道があるのだろうか。
霧の中で、先の道はまだ、見えてこない。
でも、少なくとも、これからは、世の中の経済は、下り坂になる。
足元に気おつけながら、青い空を探す。
不安と恐れがないかと言えば、否定はできない。
でも、この日記を読んでくれる仲間がいると思える事が救いだ。
小学生の頃、家族で、富士山5号目まで登った事を思い出した。
勿論、車で。
5号目は、霧で、眼下は何も見えなかった。
それでも、山の中腹に登ったわけだ。
この先は、三叉路。
どの道を行くか。
誰も教えてはくれない。
思うのだ。
頂上に到達せずとも良い。
登りつつ、下りつつ。
生きていれば良い。
仲間と一緒にいられれば良い。
この日記を書き続けられる日々の生活であれば良い。
それが、今朝の思い。
いつもの願い。
雨の音が、聞こえて来た。
大晦日は、寒くて暗そうだ。
初日の出は、見えるのだろうか。
どちらにしろ、今年は、幕を下ろす。
皆さん、来年も宜しく。
ありがとうございました。

パルスオキシメーター 99・98・98
体温36.6 血糖140

雑煮の餅 代表 湖山 泰成

銀座湖山日記

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