勝てず嫌い

2023年8月5日

負けず嫌いという言葉があるが、私は全く当てはまらない。
子供の時から、競争が嫌い。
努力が嫌い。勝負事が嫌い。
負けるのが好きな人はいないと思うが、私は、どうも、勝つのもしっくりいかないらしい。
この、天邪鬼な性格は、私にもよくわからない。
ゴルフも、握るのは嫌い。
泰成君は、メンコも、ベーゴマもビー玉も、いつも、カモで、いつも最後はオケラになった。
ポケットが、空っぽになるまで、悪ガキに離してもらえなかったのだ。
でも、たまに勝っても、負けた人が可哀想で、自分が負けるまで続けるのである。
父の麻雀は、自分が勝つまで、しぶとく、相手を離さなかったそうだが、私は、早く負けて、勝負の緊張感から逃げたいと思っていたように思う。
頑強で、しぶとく、諦めない経営者像とは、かけ離れている。
ゲームも、スポーツ観戦も、勝ち負けにこだわらなくては面白いはずがない。
人生を迷い続ける泰成君は、悟りの禅僧になれるわけでもない。
中庸の生き方くらい難しいことはない。
母からは、泰成は、ほどほどの普通の事が出来ないと言われていた。
そうかなあ。
でも、食事、運動、仕事、どれも、日々の生活管理だが、これの持続が難しい。
ジェットローラーコースターのような、刺激的な経営の毎日と、一気飲みのような食生活だった。
仕事は、ますますジェットローラーコースターのスピードが速くなってしまい、安寧な生活とか、静かな精神とは程遠い。
身近なスタッフの力を借りて、仕事も生活も、なんとか無難にこなしているが、ジェットボートから、夕日のヨットに乗り換えたいと願うばかりだ。
負けずとも勝たず。
漂えとも沈まず。
永遠と無限の静かな世界に、帰依できないものだろうか。