納涼の隠れ家
今年の夏の暑さは、身に応える。
今は、銀座本部か、自宅にこもっている日が多い。
20代の泰成君は、銀座の街中を、走り回っていた。
泰成君は、喫茶店に行くくらいなら、1時間でもあれば、図書館、美術館、そして映画館に飛び込んだ。
1時間あれば、アイスコーヒーとホットドックで、ランチも済ませられる。
目を瞑って、仮眠も取れる。
当時は、今と違って、映画の途中でも、入る事ができた。
昔は、都会の映画館には、会社の紙袋を持って、映画館で昼寝をしているサラリーマンが大勢いた。
社名がわからないように、裏を上にして持っていた。
胸のバッチも外していたはずだ。
映画館は、営業マンの隠れ家だったのだと思う。
泰成君は、出張時の時間調整にも、映画館を使った。
飛行機や新幹線の時間に合わせて。
そのせいか、映画を最初から、最後まで、きちんと観る事にこだわりはない。
映画は、30分見れば、中途でもその映画の良さはわかる。
その映画の世界に入る事ができる。
これは、私の特技か。
ただ、この習慣では、映画は1人で観る事になる。
そういえば、映画でデートした記憶はない。
映画好きは、皆、1人で映画を観ている人が多い。
単に、付き合ってくれる人がいないだけなのかもしれないが。
今も、映画館が賑わってくれているか、気になる。
興行。
興行主は、客の入りが、気になる。
私も、興行主なのである。
病院だろうが、老人ホームだろうが、公民館だろうが、コンサートホールだろうが、歌舞伎座だろうが、映画館だろうが、客の入りが気になる。
病院も、老人ホームも、ビジネスモデルは、ホテルと同じだ。
満床満席になると嬉しい。
デイサービスも、レストラン、劇場、小屋と見做せる。
客席がいっぱいになると、役者は嬉しい。
そう、私達も役者なのである。
お客の拍手が嬉しい。
何も、スタンディングオベーションを望んでいるわけではない。
ファンに応えたいのである。
蝉が鳴き出した。
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湖山G代表 サンダーバード会長 健康の駅副会長 日本棋院評議員
順天堂客員教授 湖山泰成