手仕舞いの美学

湖山Gの初期の発展した地域は、東北の温泉地だった。

スキー、温泉、旅館、地酒が売り物だった。

その地には、家族経営の温泉旅館が、繁栄していた。

私は、毎週のように、仕事でその地のその旅館に泊まって、職員と地酒を飲むのが楽しみだった。

でも、ある時期から、その家族経営の旅館や、民宿やペンションは、ひっそりと地域から消えていった。

日本においては、家族経営は、やがて継がれることなく消えている会社や畑が出てくる。

事業継承の問題である。

実や、医療福祉も、家族経営の小規模事業者が多い。

やがて、中小病院や、特養や保育園も、農業事業者のように減少して行く。

でも、その時、問題になるのは、債務である。

施設事業者は、皆、借金が残っている。

職員を雇っている。

入院、入所の患者、利用者を他の施設に移すのには、時間、つまり、お金がかかる。

施設の廃業には、莫大な運転資金が必要なのである。

低利な事業資金のおかげで、ここまで事業を継続できた。

コロナ無利子融資もの恩恵もあった。

でも、今、ここで、日本は人口減の中で、医療福祉教育の施設は、経営困難を迎えつつある。

これらの事業者は、自分の生涯をかけて世の為に尽くしてきた。

借金も、リスクも背負って来た。

でも、それを、家族に背負わせて、事業を継続させたいとは思っていない。

むしろ、この借金と責任を我が子には、背負わせたくないと考える院長、理事長が増えてきた。

でも、施設を手仕舞いするには、物理的に資金とノウハウがいる。

事業再生ファンドの役目には、そのような使命の終わった事業を問題なく終了させる事も含むと思う。

急速な人口減の日本社会。

病院も介護施設も、学校も、保育園も、施設自体を減らさねければならない。

民生の施設を、破綻なく、問題なく精算する。

30年の施設寿命が終えた施設の清算ができて、新たな時代の施設の生産ができるのだ。

30年もたった建物は、大型修繕か、建て直しが必要。

でも、土地も資金の余裕もなく、閉鎖する事業が出てくる。

事業自体の寿命を迎える。

拍手で、施設の定年を迎えられるようにしてほしい。

人生も、事業も、手仕舞いの時はある。

私の人生もやがて、手仕舞いの時が来ても、大丈夫。

湖山Gは、新たな担い手の事業として、生まれ変わる。

より、若く、より、強く、より美しく。

その時まで、健康を大事にして、長生きしたい。

それにしても、内視鏡検査前の下剤はきつい。

といっても、真っ白な私のお腹を見てもらうには、仕方がない。

そういえば、「仕方がない」と言う私のセリフも増えたような気がする。

これからは、歴史に感謝して、手仕舞いを綺麗に。

というセリフも出てくるだろう。

血糖198 昨夜はひもじかった。検査後の昼食の、鍋焼きうどんが目に浮かぶ。

湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長 湖山泰成

銀座湖山日記

Posted by shimada