天上の戦い

来年度の診療報酬本体は、0.88%上げの予想。
これで、来年度改訂は、財政負担抑制進まずと評される。
2年に1度の、診療報酬改訂が来年度に予定されているのだ。
これは、医師会と厚労省と財務省との、天上で起きている神々の戦いである。
医療報酬は、信じられないくらい細かく決められている。
40年前は、医師会やコンサルタントから1日でも早くその情報を得る事に必死だった。
そして、検査の組み合わせや、薬価をレセプトに入れて見て、当院の収入がどう変わるかシュミレーションをしてみる。
これが、経営者の仕事だった。
今思えば虚しい作業だ。
それで、翌年の収支事業計画を作って、資金繰りを考えたのだ。
日本中で行われたであろう、この作業は、何だったのだろう。
地上で、悪戦苦闘している現場から言わして貰えば、ガソリンの補給を0.88%増やしてもらっても、この戦争には勝てない。
医師、看護師の業務独占を緩和して欲しい。
ミサイル発射士とか大砲発射士とか免許がないと兵器を使えない。
巡洋艦艦長とか、空母艦長とか、免許資格が違うみたいなものだ。
保健所の所長は医師でなくてはならないが、実施には、行政に明るい行政マンの方が良いと思う。
コロナ対応で、よくわかったはずだ。
検眼は、医師でなくとも、機械で自動計測できる。
ワクチン注射も、外国では、看護師でも検査技師でも出来る。
糖尿病で、毎日インシュリン注射を打っている人は自分でもできると思うだろう。
健診の体重測定は看護師でなくても出来る。
死亡診断書は、アメリカでは、医師以外でも可能だそうだ。
せめて、施設での看取りも医師のオンライン診療と現場看護師の連携で出来ないだろうか。
現実には、そこまでスタッフが逼迫している。
医学部、看護学校の定員を増やしてほしい。
法学部出身者が全て弁護士になるわけではない。
文学部出身が全て作家になるわけではない。
一級建築士が、全て設計士の仕事をしているわけではない。
美容学校出身者が全て美容院で働いているわけではない。
更に、せっかく、医学部を卒業しても、もっと収入の高い、ITや金融ビジネスに行ってしまう医師も増えてきた。
就業していない資格者の分だけでも、医学部の枠を広げたらどうだろうか。
歯科医師も薬剤師も検査技師も栄養士も、需要より多く輩出されている。
だから、競争があり、勉強して、切磋琢磨される。
給与も、自然に抑制されるだろう。
公定価格の業界だからこそ、多様性の診療を認める為にも、もっと混合診療を認めても良いと思う。
このような意見に、業界には、賛同者がいない事も承知だ。
私は間違っているのだろう。多分。
でも、私は思うのだ。
今の制度では、誰も幸せにならない、と。
そう言えば、米価闘争と言う言葉は聞かなくなった。

パルスオキシメーター 98・98・99
体温36.5 血糖132

地上の虫の眼 代表 湖山 泰成

【銀座湖山日記】

● https://www.facebook.com/koyama7412

https://twitter.com/Morimoto2021

銀座湖山日記

Posted by admin