業界再編
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日本一の生命保険会社が、日本一の介護事業会社を買収する。
上場を果たした大手会社も、創業者オーナーが死んだ際に、親族は、株をファンドに売った。
そして、今度は、ファンドが、より収益を上げて保険会社に、倍額で転売した。
当たり前の経済行為だが、その意味するものはないか。
ファンドは、マーケットの将来を予測するプロ。
これ以上、中小介護事業者を買収するのではなく、自らを資金潤沢な保険会社に売った。
買った方の、生命保険業界も保険の成長性は、将来は見込めない。
人口減の日本で、どの分野も縮小する。
保険会社にとっても、保険の顧客の確保にもなる。
介護保険の顧客に、自らも介護サービスを提供できる。
顧客の囲い込み戦略とも言える。
医療介護保険の改正も、この効率の良すぎる利用者囲い込みのビジネスモデルを制限する為だ。
とにかく、今回の買収金額も、過去の記録を大きく超えた。
保険も、介護も、成長の頂点を極めた今、下り坂のマーケットの中で、大手の合従連衡が始まった。
介護は、もともと中小事業者、家族事業者が殆ど。
例えれば、商店街の個人商店が、大手スーパーに収斂されて行った歴史を辿ることになるだろう。
良いも悪いもない。
自由主義経済社会の原理だ。
湖山Gは、公益法人中心なので、ビジネス原則で経営をする事わけではない。
地域の医療介護保育の質を高めて、維持継続する義務を負っている。
その為に、教育目的の研修会、学会に多大な予算を割いている。
そういう点から見れば、湖山Gは学校法人、大学に近い。
所詮、民間だから、赤字では経営継続はできないのだが、双方のバランス経営の体現を実践している。
利益目的の事業者は、利益が出なくなれば、事業は撤退する。
株主から、もっと儲かる事業に投資をしろと圧力がかかるからだ。
過去もそうだった。
不動産バブルの時、多くの保険会社やゼネコンは老人ホーム事業を手掛けた。
バブル崩壊して、儲からなくなったら、いつの間にか、どの老人ホームも、他社に売られていた。
今度もその歴史を繰り返すのだろうと、私は見ている。
良い時も、悪い時も、湖山Gはこの世界から逃げることはない。
私が死んでも、その意志と信念は、若き職員に伝えられていく。
年長の職員はどうしているか。
私と一緒に、湖山Gの介護施設に入所しているはずだ。
楽しい老後になるはずだ。
お互いに。
きっと。
多分。
パルスオキシメーター 98・97・98
体温36.6 血糖90
零細事業者 代表 湖山 泰成