ノンアルコール・ジャズ
20代の頃は、夜の会合を終えた後は、1人でバーカウンターのある店に寄った。
真っ直ぐに、帰宅できない、孤独な男の習慣である。
会合のあるホテルのバーから始まって、銀座、赤坂、六本木の順番で、地下に降りるような小さなカウンターバーを行脚する。
アルコール・ハイキングとでも呼びたいくらい、酔っ払って歩く。
シラフでは、あれ程は歩けなかっただろう。
不健康極まりないが。
毎日、午前様だったような気もする。
もう、記憶は定かではない。
都合の良いものだ。
ミュージックは、フランク・シナトラ、ディーン・マーチン、アンディ・ウイリアムズか、定番のジャズ。
酒は、バーボン・ウィスキーから、後半はカクテル。
スタートは、ギムレット。
次は、勿論、マティーニ。
そして、ウイスキーのマンハッタン。
二日酔いの時は、黒ビールのギネスとシャンペンを割った、ブラック・ベルベット。
ああ、懐かしい。
宵闇の優しさと、ネオンの心地良さ。
でも、今は、ジンジャエールとウーロン茶で、宵闇を過ごす。
ああ、なんと健全な事か。
悲しいくらいに、健康だ。
昨夜は、久しぶりにジャズを聴いた。
ノンアルコールのジャズというのは、私の心と体には、不思議なものに思えた。
また、新鮮でもあった。
私にとって、音楽は、環境であり、空気。
でも、昔は、音楽の色は、夜のネオンだった。
今は、昼間の太陽か。
改めて、施設での、コンサート企画も復活させよう。
アフター・コロナの社会復帰はこれからだ。
パルスオキシメーター 99・98・98
体温36.2 血糖166
企画マン 代表 湖山 泰成