花火、スイカ、カルピス
泰成君の生家は、戦前からの日本家屋で、縁側、小さいけれど日本庭園、つまり、松の木、イチジクの木、竹林、池、噴水、滝、離れの茶室があった。
玄関の前には、鉄門があった。
その地域では、御殿と呼ばれて、駐車場もあった。
両親は、そんな家に学生結婚で暮らし始めたのだから、優雅なものだ。
しかも、私が産まれた頃には、当時、山形から行儀見習いとして、お手伝いさんがいた。
その人の為の4畳半の部屋が、玄関横にあった。
家の敷地に入るのに、鉄の門があり、その上には、大きな松の枝ぶりが被っていた。
小学生の頃の、その家での夏の思い出は、縁側での昼寝と、蚊取り線香の香り。
夜は、花火と家族で食べる、よく冷やしたスイカ。
花火は、危険で、打ち上げ花火は、怖かった。
手に持たしてもらえるのは、線香花火。
今でも、あるのだろうか。
あっという間に、寿命がつき、火が消えて、燃えかすの玉が、地面に落ちてしまう。
子供の心に、命の儚さ、侘しさ、美しさを教えてくれた。
日本の夏。
今は、浴衣姿の人を見る事は無くなった。
今晩は、福島の花火大会を観に行く。
虫の声が聴こえる。
血糖166 スイカが恋しい。
湖山G代表 サンダーバード会長 健康の駅副会長 日本棋院評議員
順天堂大学客員教授 湖山 泰成