老いてこそ、囲碁と将棋
小学生の泰成君が、父が勤務する病院の医局に行くと、いつも、ソファの上に将棋版が置いてあった。
盤上では、対戦中のように見えるが、無人だった。
当日の対戦者は、忙しく病院内を動いているので、医局に寄った時に、互いに、一手を打って行く。
退屈しのぎだったのだろう。
夜は、一高の同窓生兼患者の財界人と、料亭、お座敷で会食とマッサージを受けながら、プロの棋士を招いて囲碁の対戦をしていた。
何せ、父は真面目で勉強熱心で、毎週、囲碁の勉強会を続けていた。
社会の事には、無関心だったが、ゲーム毎には、勉強熱心だった。
麻雀、将棋、囲碁、そしてゴルフ。
勝負に必死で、負けず嫌いだった。
何故、あれほど、ゲームの勝敗に熱くなれるのか。
子供の泰成君には、全く、理解できなかった。
泰成君は、気が弱く、ゲームでの勝敗から遠ざかっていたかったのだ。
湖山Gでは、施設や事務所の部屋を提供して、囲碁の会を支援している。
父は、いつも、泰成に囲碁を教えてやろうと言うが、本人は、ご勘弁くださいと、逃げて回っていた。
父のようには、とてもなれないとわかっていたからだ。
あれ程、一生懸命勉強するのは、自分には無理だとわかっていたからだ。
湖山Gの特養ホームで、高齢者が囲碁を学習する事によって、認知症の進行が遅くなるとの研究をしている。
当たり前のような気もするのだが、論文の評価は高く、今も続いている。
囲碁をする高齢者も、喜んでいる。
やがて、オンラインで、施設対抗囲碁戦を行おうと思っている。
施設では、75歳でも、ジュニア戦である。
血糖98。昨夜の夕食は、寝ていて、パス。
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長 湖山泰成