医療倒産の時代

医療機関の倒産が始まる。
今迄は、殆どなかった。
他業界に実態に比べれば、無きに等しいが、これからは増える。
今迄は、行政も、医師会も保護すべく、努力をしていた。
実は、医師、看護師の資格者の供給が制限されていたの事も大きい。
収入が保証される、国民皆保険、介護保険制度のおかげもある。
未収が殆どなかったのだ。
高齢者の増加も、追い風だった。
経営環境の前提が、今や全て、追い風から向かい風になった。
とっくの昔からそうだったのだが、コロナの補助金、無利子融資が、その実態を隠して来た。
医療の実態は、家業で、家族経営が多い。
世代交代で、子供が継ぎたがらない事もある。
昔は、家業の病院の建て替えの時に、医学生だった息子も、連帯保証人に銀行から要求され、成人下から、まだ、大学に残りたいのに、泣く泣く実家を継いだ医師も多かった。
それは、今はなく、保証協会を使えば良い。
でも、その拘束がなくなった事も子供が、都会から戻って来なくなった事に影響があるのではないかと、小生は見ている。
今までは、経営難の病院を、大病院グループが、買い取ってくれた。
最近は、救世主が現れず、廃業、倒産になる病院も出てきた。
今後は、倒産、民事再生の病院が増えると思う。
皆さんはご存知ないだろうが、実は、医師は、破産しても、医師免許は執行しない。
弁護士、会計士、税理士は、そんな事はあり得ない。
だから、倒産しても、その医師はどこかで、また開業している。
何故、医師だけ特別扱いなのか。
医師が儲かる職業になったのは、1961年に国民皆保険制度ができてからだ。
それまで、医師になる人は、資産家の次男坊とか、お金持ちの娘さんと結婚して、実家から支援してもらわないと、生活は苦しかった。
私は、地方の酒造家、資産家名系のお嬢さんと見合い結婚した医師を何人も知っている。
つまり、医師になるのは、慈善事業家みたいなもので、社会からの支援がないと成り立たなかったのだ。
地主や、不動産業者が、スポンサーになって、開業された医院や病院も多かった。
誘致されたと言っても良い。
これも、昔の話ではあるが。
皆保険以前は、自費診療しかなかったわけで、診療費を現金で払えない患者も多かったのだ。
しかも、駆け売りで、半年毎に、奥さんが、地域の患者さんの家を請求に回ったとか。
医者の奥さんが、経営者で、家計は大変だったと聞く。
今は様変わりだ。
昔は、田舎では、医者に、採れたての野菜や魚を届けて、診療費、薬代の代わりにしてもらった。
当時の様子は、漫画「釣り吉三平」の物語にもなっていたので、探してご覧あれ。
原作者は、山形の農村出身で、自伝として、その頃の時代風景を描いている。
医者に、お中元、お歳暮を送る習慣は、その時代の名残だと思う。
子供の頃、我が家にはお中元、お歳暮が山のように来た。
缶詰セットや、洋酒を百貨店に返品して、商品券に換えてもらうのだ。
医師の家にとっては、ボーナスみたいな生活資金だった。
重い缶詰セットを持って、母とデパートに交換に行った頃が懐かしい。
勿論、母は嬉しそうな顔をしていた。
その商品券で、何を買って帰ったのだろうか。
母のヘソクリだったのだと思う。
半世紀以上前の事だが。
兎に角、医師免許の特別待遇は、戦前からあったらしい。
戦争に医師は欠かせない。
その為だったと聞いた事があるが、真偽の程はわからない。
とにかく、医療法人の倒産が、これから顕現する。
増える。
そして、信じられないが、倒産する社会福祉法人も増える。
世も末だと思うのだが、今は、選挙に忙しい諸先生方は、どうお考えだろうか。

能登地震293日 血糖179
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長
本日休業 湖山泰成

銀座湖山日記

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