名画座ミニシアターを懐古する

私の青春時代の週末は、名画座である。
池袋文芸坐、文芸坐地下、渋谷全線座、大塚名画座、飯田橋佳作座、岩波ホール、イメージフォーラム。
そして、銀座並木座。
名前がスラスラ出てくる。
デートでは行かなかった。
むさ苦しい、オタクの若者ばかりだったと思う。
私のような。
当日の昼飯は、映画館の中で、牛乳とサンドイッチ。
パンフレットとポップコーンは高くて買えなかった。
最近は、パンフも買い、ポップコーンも食べる。
大人になって、良い事もある。
銀座並木座は、シックな名画を上映していた。
岩波ホールは、社会性の強い映画が多かった。
岩波ホールと銀座並木座は、館内後方にビルの柱があり、何時も立ち見で、その壁に体を寄せて見ていたような気がする。
今は、立ち見も、一日中、何度も見ることはできない。
総入れ替え制で、全部指定席だ。
コンサートホールのように、清潔で健全になった。
仕事をサボっている営業マンや、徹夜工事明けの労務者もいた。
タバコの煙が、スクリーンの前に漂う事もあった。
なんせ、あの高尚さと、都会のいかがわしさの混ぜこぜになった雰囲気は、若者の反抗心を癒すには、相応しい場所だったのだろう。
昨年は、新潟県十日町市のミニシアターが閉館した。
今度は、宮城県仙台市のミニシアターが閉館する。
仕方がないのだろうが、これでは、若い人の映画ファンは育たないと思う。
今の若者は、ネットでもっと安く、沢山の映画を見ているのだろうか。
映画は、暇な老人のものではない。
私は、映画館は、社会に関心と怖れを抱く、臆病な若者の保育器なのだと思っている。
図書館も同様だ。

昨日の昼は、ベトナムからの看護師の男子留学生と銀座でお寿司を食べた。
湖山Gに留学に来て、10ヶ月の研修が終わり、帰国するのだ。
日本語は完璧だった。
お寿司も完璧だった。
老人は若者との会食が楽しい。

血糖138 能登地震123日 
ベットサイドのカレンダーには、マジックで日数を書き込んだ。忘れる事はない。
湖山G代表 サンダーバード代表 湖山 泰成

銀座湖山日記

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