介護保険世界の限界
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訪問介護の基本報酬が下げられるので、その世界の事業者は、戸惑っている。
今までは、施設サービスを減らして、在宅方向に誘導していると思われていた。
いや、御国は、全ての社会保障費を削るのだ。
医療保険の打ち止めの次には、介護保険の総予算の天井も定めたのだ。
医療保険は、診療については、基本的に混合診療をきつく制限している。
介護保険サービスについても、同様で、特養ホームにおいては、医療保険請求を原則認めていない。
今度、オンライン診療は認めるようになったが。
制度的に、それぞれの保険世界の中だけて生きるように制限してきた。
完全保険世界の中で生きる事を強要されてきたとも言えるし、その世界の中だけで安住してきたとも言える。
でも、銀座にいると別の現実が見える。
銀座の中の歯科医院で、保険診療の歯科はもう、絶滅していると思う。
自費で1本100万円とか、美容歯科とかばかり。
一般診療所も、自費の美容皮膚科とか、美容整形外科とか。
訪問介護も、医療保険での、訪問看護とか、自費の人材派遣とかに変わっていくのではないだろうか。
訪問介護も、大手人材派遣会社の一部門でしかなくなるのかもしれない。
大企業健保の福利厚生サービスの一環となるか。
自費の訪問看護となるか。
なんにしろ、全国民平等な皆保険サービスでの維持は無理と言うことだ。
あらゆるサービス業は、大手に収斂されていく。
家事介護派遣や、家庭教師派遣や、宅配給食と同じになるのだろう。
国は、あらゆる中小事業者を減らすつもりだ。
実際、あらゆる業態がそうなっている。
銀座のお店の3分の1は、毎年変わっていく。
それだけ、潰れているのだ。
中小企業の多くは赤字。
それでも継続しているのは、家族で給与を取って、生活費の一部も経費で賄われている。
会社は赤字でも、低利融資で、お金は会社を通して回っている。
借金赤字経営で、税金を払わず、家族は暮らしていける。
農業も、それに近いと察する。
でも、介護事業は、人を雇って行われている。
家族で業務を行い、子どもに継がせようとはしない。
なんとかして、子供を医者にして診療所を継がせようとする世界とは違いすぎる。
夢を抱かせた、理想の介護保険世界は、未来の明るい成長産業から、厳しい現実のサービス業の一つとなった。
それでも、湖山Gは、夢と誇りを持ち続ける。
その為に、成長と進歩を続ける。
医療保険プラス介護保険プラス、ネクストワンとして。
更に、新卒の採用と教育と免許資格取得制度を充実させる。
これからも、職員寮を作り続ける。
業界が、下り道になっても、これからも、明るい空を見上げて先を行く。
お国に頼らずとも、新たな道は、自ら切り開く。
転ばぬように、気をつけながら。
血糖190
医療福祉ベンチャー 湖山G代表 湖山 泰成