ジーパンとツルハシを売る人
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アメリカのゴールドラッシュも、バブルと同じでブームはやがて去った。
金を探して、人生を棒に振った人も多かったが、その裏でひと財産を築いた人もいた。
金掘りに使うツルハシ、バケツを売った人。
作業着のジーパンを作った人である。
熱狂して、ゴールドラッシュに飛び込んだ人よりも、その人の必要なものを売った人の方が成功する。
では、今の介護保険バブル、老人ホームバブルで1番儲けた人は誰か。
老人ホーム経営者か。
特養ホームですら、多くの施設は赤字に転落している。
社会福祉法人は、資産も、預貯金も豊富な法人が多い。
コロナ無利子融資の恩恵も大きい。
でも、収支は赤字が多い。
長くは持たないだろう。
上場した大手有料老人ホーム会社はどうか。
高い上場維持費もかかる。
そうして集めた出資金には、配当をしなければならない。
株主には、成長も約束しなければ、役員は解任される。
だから、無理して中国に事業展開をし、火傷を負った会社も多い。
介護事業で確実に儲けた会社は、建築会社、設計事務所、コンサルタント。
そして、介護機器販売、老人ホーム紹介所。
人材紹介、人材派遣会社。
ある大手の金融会社の老人ホームは開業以来ずっと赤字だったが、不動産部の一部であり、
不動産開発事業の一環として会社は維持した。
でも、赤字事業のなので、老人ホーム部門はやがて売られたのだが、その先は、証券会社である。
老人介護事業をしたかったのではないと思う。
不動産を流動化して、その時に、多額の収益を得たのである。
流動化が終わると、やがて、老人ホームの会社は、また売られるのではないかと予想している。
大企業は、儲からなくなると、その事業を売る。
株主に、もっと利益の上がる事業に資金を集中投資をしろと言われるのは、当然のことなのだ。
それで、私は、終身利用権を辞めた。
結果として、社会福祉事業が増えた。
介護事業そのものに、関心があるというよりも、そこに関わる、不動産、建設、金融事業で
儲けたくて、介護事業に進出してくるのである。
似たようなビジネスモデルに、在宅医療で儲ける為に、患者囲い込みの高齢者住宅を作るのも、同様である。
それが、ビジネスとして悪いわけではない。
むしろ、賢い。
賢すぎるのだ。
ただただ、良い医療、介護をしようとする医療法人、福祉法人は、赤字で倒産してしまう。
ジーパン、ツルハシ業者の如く、周辺事業は、ひたすら利益を上げる。
でも、共存、共栄していかないと、そのマーケットはやがてなくなる。
ゴールドラッシュのように。
巨大な利益を上げている、介護事業者が、能登半島支援に動いているようには見えない。
医療保険、介護保険で収益を上げているのなら、支援に動く義務があると思う。
義理くらいあるだろう。
サンダーバードに、寄付をしてくれるだけでも良いのだが。
24時間、365日、現場で働くのが、命を守る医療介護の仕事だ。
連休も、目と耳は働かせている。
サンダーバードにも、24時間、休みはない。
今この時にも、被災地でコロナ感染と戦っているスタッフの後方支援は続く。
カートも、800の光源検査キットを能登半島支援先施設に届けて来た。
この戦いは、3年は続く。
東日本大震災の時のように。
サンダーバードは被災地に翼を広げる。
血糖193
不眠不休24時間放送局 湖山G代表 湖山 泰成