進歩する災害福祉

災害福祉と言う言葉は、行政用語であり、学術用語でもある。
でも、20年前は、私も実は、ピンと来なかった。
言葉のイメージが、アンビバレントなのである。
日本沈没とゴジラ襲来のようなイメージと、身近な福祉のイメージが対照的だったから。
中越地震の後、恐れたのは、まごう事なく首都圏大震災と、富士山大爆発と東海大地震。
銀座の病院は、間違いなく、津波で流されるだろう。
富士山の麓のリハビリ病院も、富士山の溶岩に流されるかもしれない。
行政は、溶岩は時速40キロだから、自動車で逃げられると言ったが、400人の老人患者と職員を緊急で運ぶ手段はない。
山道を数台の救急車で運ぶのには、限界があるのは当たり前だ。
市街地の駿河湾の近くにも、介護施設が多い。
津波に流されるだろう。
私が、北関東や、神奈川の北西に施設を多く作ったのも、大地震の時に安全で、支援施設となり得る地域を選んだからだ。
被災を受けそうな場所の施設は、一階のロビーや地域交流センターを広くした。
東京で最初に開設した施設は、小学校の跡地の総合開発。
特養ホームと、老健と、母子支援施設と、広域避難所としての防災公園。
町内会と一体となり、普段からお祭りで仲良くして防災訓練も一緒に行う。
施設の一階は、壁がなく、バリアフリーで公園に繋がる。
そばには、川があるので、徳用ホームの一階ロビーには、自衛隊仕様の大型のゴムボートがいつでも使えるような状態で置いてある。
公園には、ミニヘリコプターなら、ギリギリ着陸が出来る。
その当時としては、思いつく限り知恵を絞った開発設計だった。
3.11の東日本大震災の時、2日後に、ヘリコプター3台で、気仙沼の湖山Gの老健へ支援物資を掲載して飛んでいったのも、緊急初動対応を重視したからだ。
でも、現地で帰りのガソリンを買えず、自分自身が2次遭難をし、自分が帰還するのに難儀した。
恥ずかしい限りだ。
今回の能登地震の対応も、初動は、自衛隊のヘリコプターと船舶が一挙に出動して欲しかった。
それができない理由は、国防上や、津波を恐れての事もあろうが、それにしても、腑に落ちない、解せない事が多い。
これは、日本の行政機構が緻密で平時想定でしかないからだ。
ローマ帝政時代を見よ。
戦争、災害の時は、年限を限って、専制君主が選ばれた。
現代の民主国家では、首相が全権を持って陣頭指揮をすべきだが、それは、無理なのだろう。
総理大臣も、県知事も、平時の官僚組織の上に乗っているだけのように見える。
総理大臣のできる事は、予算取りだけではあるまい。
自衛隊の船も動いているようには見えない。
自衛隊が民間戦をチャーターして、半島の港に船を派遣した。
避難民にシャワーを浴びてもらう為に。
自衛隊のヘリで、被災者を安全地帯に運んだ方が早いのではないか。
日本は、江戸時代のように、評定会議ばかりで何があっても動かない。
それが今の日本のようだ。
国が決めた災害福祉のガイドラインがある。
そのネットワークは、各団体の連携の為の会議、会議の集合体になっている。
この各団体は、平時でも、あまり連携ができているとは思えない。
戦時で、急に連携会議をしても、迅速に、連携行動は難しいだろう。
だから、普段から、広域の災害支援訓練が必要なのだ。
でも、基礎自治体単位での、防災訓練や、教育ばかりのように思う。
まずは、総理、知事の見識を高め、道州制並みの支援体制を確立してほしい。
派閥の騒ぎをしている状況ではない。
湖山グループは、医師看護師の一次支援から、営養師・理学療法士による長期支援体制の準備を検討している。
オンライン診療体制で。
現地に行かなくても、全国の勤務地から、医者と協力しながら長期的に生活支援をする。
小型の血糖測定器や、パルスオキシメーターや、コロナ簡易測定器を使って。
湖山Gが開発した、コロナ対策特別車両カート3台も待機中だ。
この、移動コロナ検査室は、車両なので、道路が復旧しないと届けられない。
自衛隊が、大型ヘリコプターか、船舶で運んでくれないものだろうか。
また、冷凍冷蔵庫を掲載したコンテナハウスも開発中だ。
大手冷凍食品会社クックデリの力を借りて。
知恵と金と汗を、注ぎ込む。
明日は我が身と思えばこそだ。
相身互いの民間共助の精神はある。
でも、国家の力も頼りにしている。
こんな時に、独裁者が生まれるのだろうか。
それでも構わないからと、思いが一瞬でも生まれるのが、情けない。
マスコミも学者も情けない。
と、思う国民が1番情けないのだが。

パルスオキシメーター 98・97・97
体温36.4 血糖182

サンダーバード マイナス1.0 湖山医療福祉グループ 代表 湖山 泰成

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