湖山プラスワン
40年前に銀座で救急病院を立ち上げた時は、医療そのものには、何も迷いはなかった。
父の、虎ノ門病院時代からのスタッフがいた。
患者も、総理大臣から財界のお歴々までいる。
何よりも、銀座の働き手の唯一の救急医療機関だったのだから。
医療の質そのものには問題がなかった。
放漫経営を辞めさせれば、基本のマイナスゼロの経営となり、とにかく赤字ではなくなった。
でも、それだけでは、納得できなかった。
科学としての医療の進歩は、大学や学会で学ぶ。
他力だった。
製薬メーカーの営業が持ってくる最新製薬を使う。
検査メーカーの最新鋭の機器を取り揃える。
医師は、毎年、大学から若手が送られてくる。
科学たる医療は、根幹がしっかりしているので、そのままで良かった。
父の医療そのものを維持できれば良かった。
湖山聖道マイナスゼロで良かった。
だから、医療そのものの質の向上というよりも、医療の地域性文化性に関心があった。
背景の銀座の文化に彩られた医療文化をいつも考えた。
いつも、政治家や財界人や、芸能人が来ていた。
銀座のビジネスパーソンばかりではない。
実は、銀座の夜の仕事の患者も多かった。
昼夜逆転の仕事は、体調を壊しやすいのだ。
みんな、健康を犠牲にしても、必死に働いていた。
入院の患者にも特徴があった。
マスコミから逃げて来て、緊急入院する政治家。
病院の特室で、老人ホームがわりに仕事をしている大企業の会長。
そして、観光客、外国人。
それはそれで、毎日ドラマがあった。
私はいつも考えていた。
患者とスタッフ作る地域医療のあり方を。
それを、私は、銀座の地域文化の一面として捉えようとしていた。
公衆衛生学にも、その視点を取り入れようと考えた。
常に、医療にプラスワンを。
今年のプラスワンはオンライン診療。
災害対応においても、必要この上ない。
まずは、湖山G内において、オンライン診療のネットワークを構築する。
銀座メディカルビルを、銀座と地方をつなぐ医療と文化の拠点とする。
首都圏大地震の来る前に。
間に合えば良いが。
パルスオキシメーター 96・97・97
体温36.8 血糖176
銀座プラスワン 代表 湖山泰成