映画は家族の思い出
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最新のゴジラの映画を観てきた。
前作の主人公が、政府の人間で、日本政府対ゴジラの戦いだった。
これはこれで、面白かった。
東日本大震災の時に、あのような政治家がいて欲しかった。
今度は、被害者の市民が主人公。
ゴジラは、心のない怪物。
虚弱な人間から見て、恐怖と災難の塊。
そして、悲惨な戦争が、国民をどれだけ不幸にするかを訴えている。
これは、最近では、素晴らしい反戦映画だと思った。
ゴジラは、日本に落とされた原爆を意味している。
ゴジラは、原爆の放射能の影響で生まれた設定になっている。
まさしく、原爆の子、原爆の悪魔の大使。
ゴジラ誕生の物語。
原作の映画は、私の生まれる前だ。
劇場で観たはずはないので、白黒テレビで観たはず。
本作では、ゴジラが戦後の銀座を壊滅させる。
流石に、皇居までは襲わなかった。
過去の映画で、銀座壊滅シーンはなかったように思う。
銀座を廃橋にした東京大空襲を、ゴジラで表現したように感じた。
泰成君がゴジラを劇場で初めて見たのは、小学校3年生くらいではなかったか。
しかも、その時は、妹と2人で、住まいの駅近くの映画館に行った。
両親が、お葬式か何かで出かけるので、母が、お小遣いを沢山くれたのだ。
千円札を何枚か貰ったと思う。
当時としては、お年玉クラスの大金である。
泰成君は大金を握りしめて緊張していたのを覚えている。
子供2人だけの、妹を連れた映画館。
コーラとポップコーンを買ったのを覚えている。
妹に大判ぶるいした日となった。
妹と一緒に映画を観た最初で最後の1日となった。
私同様に前期高齢者となった妹だが、暗闇の映画館で、兄弟でゴジラに怯えていたわけだ。
泰成君は、妹を両親に託された気分で、気が張っていたのだろうと思う。
今思えば、よく、両親は許してくれたと思う。
あの時、千円札を手渡してくれた母の姿も思い出す。
映画館への旅は、過去の思い出への旅でもある。
幼い時に、家族で映画館で映画を観た記憶は、写真より心に残る。
昔、彼女と観た映画も心に残るのだが。
思い出すのは、辛い。
苦い思いでもあるのだ。
映画人生には。
パルスオキシメーター 95・97・98
体温36.6 血糖107
大根役者 代表 湖山 泰成