十年一昔
そう、もう10年経ったのだ。
チームケア学会をスタートさせて。
あっという間の10年だった。
そして、その間に、湖山Gの仲間は、同志は倍になった。
チームケア学会は、10年目を迎えた。
「医療は科学、介護は文化だ」と、唱えて10年経った。
医療から介護の世界に入った時、私は、違和感に悩まされた。
介護は、科学技術の医療の進歩の世界から取り残されていた。
政治信条、宗教、文学の原理主義の世界としか思えなかった。
どの世界も、スキルとハートの両手が必要。
だが、福祉生まれの介護の世界は、介護側の自己主張が強すぎると感じた。
それで、湖山G内部の研修会を、もっと、客観的評価基準を持てるものにしようと考えた。
また、介護保険の誕生は、高齢者医療から、福祉介護の世界を分離して、遠ざけようとしているのではないかと思えた。
少なくとも、現場の医療と介護の施設間には、壁が出来つつあった。
その反動か、今では、医療と介護の連携が提唱されている。
それだけ、財政分離政策は成功したのだ。
でも、現場は、やりづらくなっている。
利用者も、家族も、困惑している。
医療介護の連携から、合体まで、湖山Gは新たな施設編成、艦隊編成を模索している。
その前提として、介護の世界に、医療の世界同様の、客観的に評価できる学問、進歩、進化の教育のシステムを作らなければ、ならなかった。
それが、チームケア学会の立ち上げとなった。
学問に貢献できる、社会に通用する教育の場。
それが、チームケア学会だ。
初回は、学芸会の発表のようだった。
それが、取り組む者、指導する者の努力研鑽。
そして、応援する同僚達の支援で10年を迎えた。
湖山Gは、実践と研究と社会改革を目指す。
内部で、研鑽する10年は終わった。
来年は、学会も、セミオープンを目指す。
社会に打って出る。
大学や、病院、施設からの参加者を受け入れる。
大学との共同研究を積極的に受け入れる。
チームケア学会の指導者には、大学の教職の道も開かれるだろう。
我らは、医療界でも、評価される学会を目指す。
臨床栄養学会へも、繋げていく。
各大学との関わりは、湖山Gだけではない。
日本の、医療と手を携える、連携できる介護。
介護と対話と協力ができる医療。
1人の人間には、医療も、介護も、生活も全てが必要だ。
その事を、私達は、身を持って知っている。
10年で、世に出る準備、体制は整った。
新しい扉を開ける時が来た。
内海から、外洋へ船出の時代が始まる。
私と握手をし、記念撮影をした、一等航海士の諸君。
乗船を許可する。
外洋の波は高い。
でも、勇気を持って、帆を上げよ。
皆、その覚悟は出来ているはずだ。
出航。微速前進。 提督 湖山泰成
血糖197 昨夜は、父の思い出と共に、お供えの羊羹を食べた。
学会員は、10年歳を取り、10年成長した。