タイの高齢者施設

10年も前になると思う。

JICAの依頼で、タイのヘルスケアアドバイザーを勤めていた事がある。

当時のタイは、各地の寺院に、デイサービスのように高齢者を集めていた。

タイは、日本の介護保険を参考に、自国の高齢者政策を考えていたように思う。

日本側も、日本の先進的高齢者サービスを他国に輸出したいと努力していた。

厚労省ばかりか、通産省も、輸出産業として力を入れようとしていた。

タイには、日本の製造業が多数進出していた。

自動車やオートバイの日本の工場が多数あった。

タイに転勤していた日本人が、定年になっても、多数、タイに残っていた。

日本の家族を残して来たのに、タイに別の家族を作って、帰らない男性が多数いたのだ。

日本の恥だが、政治家も、外務省も口には出さなかった。

その者も、自分が元気な内は良いのだが、寝たきりになると、貯金も年金も内妻の親戚一同に持って行かれて、悲惨な老後を迎えていた。

自業自得である。

それを見て、外国での老人ホームの入所費用に、介護保険も適用できるようにしたらどうだろうかと考えた。

既に、日本の医療保険と同様の金額を、外国での治療費に充当できる制度があった。

介護保険も同様に外国で使えるようすれば、日本で介護サービスを受けるより、安価になると私は考えた。

まだ、円高の時代の事である。

日本に、外国人人材を受け入れるより、コストは安いと思ったのだ。

今更、日本に帰れない、不届者男性も、ほっとけば、日本の恥だ。

この問題は、昔の事で、今は解決したのかもしれない。

でも、介護保険の支払いを外国でも認められるようにしたらどうだろうか。

日本人は、本人の選択で、老後を世界中の老人ホームで暮らす事が出来るようになる。

まあ、これも、日本が他国よりも、相対的に豊かだった、時代の事だ。

今や、円安で、日本の優位性はない。

もう、少子化で面倒を見てくれる家族はいない。

財政難で、介護保険や年金で、国が全てを保証してくれる事もない。

最近は、若い日本人で、外国に出稼ぎに行く人が増えているそうだ。

日本の優れた介護人材も、外国に行ってしまうのではないか。

日本の湖山Gで働いてくれたアジアからの技能実習生が、やがて、アジアに戻る。

日本で学んだ日本式介護を活かせる老人ホームや、病院がアジアに欲しい。

文化的に、ベトナムとタイが望まれる。

その時、湖山Gが、アジアに進出するか。

今迄の経験では、介護は、外国企業がすべきものではないと思う。

湖山Gは、現地の企業にコンサルタントや、日本での介護スタッフの教育しかしない方針だ。

医療は科学だが、介護は文化。

その国の介護は、その国の人がすべき。

だから、日本の介護は、日本の湖山Gに任せて欲しい。

血糖215 寝床で囲碁の本を読む。

湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長 日本棋院評議員 湖山泰成

銀座湖山日記

Posted by shimada