科学少年
泰成君は、科学少年だった。
プラモデルのロボットを作るのが得意だった。
模型とラジオ、子供の科学と言った雑誌を購読し、マブチモーターを使った模型飛行機や自動車を作る。
蒲鉾の木の台に、ゲルマニウムラジオを作る。
モールス信号の練習をする。
鉱石ラジオ、ゲルマニウムラジオなど、今でも学習教材にあるのだろうか。
つまり、泰成君は、発明少年エジソンに憧れていたのである。
それは、犯罪科学の研究をするシャーロック・ホームズにも繋がっていくのだが。
天才科学少年は、皆の憧れだった。
鉄人28号を操縦する金田正太郎君も、科学少年と言える。
そういえば、漫画の金田正太郎も、半ズボンで、上着を着て、ネクタイを締めていた。
この、半分大人少年こそ、泰成君の原型かもしれない。
泰成君は、理系少年だった。
中学生の時、科学の得意な少年だけを集めた特別クラスがあった。
夜間の特別実験クラスで、地域の優秀そうな科学大好き少年少女が集められていた。
夜間、試験管を振っていた記憶がある。
その、特別クラスの元少年少女は、今はどこでどうしているのだろうか。
昨日は、久しぶりに、東大のキャンパスを訪問した。
そこでは、全国から各種のコンテストで入賞した、優秀な科学少年少女が集められ、特別講義が行われていた。
私は、このこの講義のスポンサーの1人になったのだ。
選ばれた中学生の発表も、佇まいも、賢そうで礼儀正しく好感が持てた。
学ぶ、研究する、発表して論議する。
泰成君も、学究の世界に憧れていた時期があった。
今の自分とは違う、別の生き方があったはずなのだ。
人生は、選択と後悔の連続である。
だから、夢ある若き人を応援する。
失われた人生の夢は取り戻せない。
でも、自分の人生の若き日の夢を思い出し、次の世代に託す。
科学者が、野球選手や政治家や実業家より尊敬されて、子供の憧れであった時代。
今もそうあって欲しい。
未来は、君らが作るのだから。
能登地震213日 血糖171
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅理事
お茶の水博士 湖山 泰成