中小連休

2024年5月3日

新聞の見出しに、大型連休始まるとある。
確かに、昔は、世間はそう思っていた。
ハワイや、ヨーロッパ。
国内でも、北海道、九州、富士登山。
でも、円安のせいもあるだろう、そのような豪勢な話は聞かない。
私も、連休は、東京を動かない。
泰成君のパパは、病院勤務で、連続休暇が取れない。
家族ドライブで、富士山五号目まで、登った事はある。
霧で、何も見えなかった。
家族ドライブは、何時も、山中湖、芦ノ湖なので、泰成君は、何時も不満だった。
絵日記にならないではないか。
でも、今思うと、当直明けに、1日運転は辛かっただろう。
だから、目的地に着くと、パパは、折りたたみベットで、昼寝をしていた。
子供達は、母の手作りのおにぎりを食べるばかりだ。
近くで、バーベキューをしているドライブ家族が羨ましかった。
その、人生の思い残しが、この年になって、キャンピングカーでバーベキューにこだわってあいるのかもしれない。
昨日、特養ホームの開発用地を見に行った。
近くの神社にも寄って、祈願をしてきた。
事業の大願成就ではない。
工事の無事と地震災害からお守りくださいとの祈願である。
お賽銭箱には、手持ちの小銭を全て放り込んだ。
成就したら、再度、お札を入れに来るので、神様も待っていて欲しい。
お守りも買ったが、無病息災は、無駄なので、諦めている。
交通安全のお守りを買って、同行者に配った。
私は、もう、運転は許されていないので、必要はない。
もはや、後部座席の快適さを譲るつもりはない。
交通事故が起きたら、労災は幾ら降りるだろう、などと考えるのは、救急病院を経営していた時の習慣だ。
経営者は、懲りない。
帰り道に、コンテナカーの展示場を見つけた。
サンダーバード支部となった施設には、カート、キャンピングカーだけでなく、コンテナオフィスも配備を考えているのだが、何せお金がかかる。
値段は、躯体だけで600万円。
だとすると、中にトイレや家具やネット環境を工事すると倍はかかるだろう。
償却は何年かかるだろう。
リースにするか。
勘定科目は、防災設備か、福利厚生か。
これを現地に運ぶには、幾らくらい掛かるのか。
補助金対象になるのか。
こんな事が、一瞬にして頭をよぎるのが、経営者の病である。
まずは、欲しい、という気持ちが湧き出てこないといけないはずだ。
泰成君は、未来を切り開く、情熱のあるリーダーになりたかったはずだ。
全て、この世は金次第。
まずは、汗して働いて、稼がねば。
歌舞伎の一幕だな。
こうして、老いた泰成君の、中小連休は続く。