湖山よ大志を抱け

泰成君の大志は、如何なものだったか?
10代は、図書館に寝袋を持ち込んで、キャンプ生活を送りたかった。
あらゆるジャンルの、未知の知識を知り尽くしたかった。
現実の社会よりも、ただただ知の巨人、図書館の住民になりたかった。
小学校も中学校も高校も、実際、図書委員長となって、図書館に入り浸っていた。
皮膚が弱く、熱い日差しが苦手だったので、校庭でクラスメートと遊んだ記憶はない。
休憩時間は、いつも1人で図書館に、隠れて潜んでいた。
今思えば、孤独な、図書館引きこもり症候群と言えよう。
また、10代の日曜日は、1人神田の古本屋街を散歩して、立ち読みをしていた。
3軒はしごをして、1冊を読み切るのである。
夕方には、店頭の百円均一の文庫本の棚から、SFを1冊だけ買って帰る。
夏休みは毎日、図書館に通って、書棚にある本の背表紙を眺めて歩き回るのだ。
世の中に、どんな本があるだけでも知り尽くしたかった。
20代30代は 一度倒産した銀座の病院を引き取って再建する事で必死だった。
40代50代は、全国地方を旅する、放浪の経営者だった。
全国の温泉と旅館と地酒には、詳しくなったかもしれない。
そして、60代を超えた頃から、日本の医療福祉の未来を憂う事が多くなった。
自分の幸せや、人生など考える余裕はなかった。
経営者として、ある程度の立場となっても、私生活には、何の関心も持てなかった。
趣味らしい趣味もない。
孤独な単調な、日々は変わらない。
事務所も、家も、時計も、ファッションも、変わらない。
確かに、別荘やヨットどころか、社用車も、ゴルフも、接待もない。
そう言えば、酒も、タバコもない生活なのだ。
生活だけは、清く正しい。
男ヤモメは、美しくはないのが、残念だが。
あっと言う間に70代を迎える歳になって、やっと、自分が生を受けた理由を考えるようになった。
自分は、何の為に生まれて、何の為に頑張ってきたのか。
自分は、何処から来て、何処へ行くのか。
自分に、せめて、大志はなかったのか。
それは、湖山Gの、未来への大志でもあるはずだ。
それは、分断された、医療と介護の連携。
東京と、地方の連携。
具体的には、地震災害も、戦争も乗り終えて生き残れる、湖山Gの確立、実現、体現である。
ヘルスケアデザインネットワークの充実。
サンダーバードの拡大でもある。
終活を意識する歳に近づいて、やっと自分の人生の大志を、見つけたような気がする。
残された人生の目的でもある。
やはり、神はいて欲しいと思うようになった。
天がないと、死後に魂が行くところがなくなってしまう。
現生を彷徨って、後輩に迷惑をかけるようにはならないと、約束する自信はない。
血糖180 深夜に、ココナッツと胡桃。
昔は、酒のつまみだったはずだが、今はお茶のお菓子だ。
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長 湖山泰成