役員の賞味期限

世界に羽ばたく大企業の社外取締役になれる人が足らないとの話を聞いた事がある。
だから、就任期間が長くなっている。
人材不足もあるだろうが、社長が、自分に厳しい役員を任命したくないと言うのが本音ではないか。
株主総会で、味方になって欲しいと言う気持ちは、痛いほどわかる。
資本の論理だけで、経営の評価をされるのは、割り切れないと思う文化が日本には強い。
でも、それが、赤字経営に甘いと批判される。
求められる人材は、米国に留学経験があり、英語に不自由しない。
しかも、女性。
今なら、大勢いそうな気がするが、優秀な人ならば、社外どころか次期社長になりそうだ。
実は、社会福祉法人の評議員も同様だと思った。
社会福祉法人は、ノンプロフィット。
利益を求めず、社会福祉事業を行う。
でも、今は、借金もして、経営は困難。
安定した正しい経営方針と、現実は逆境の医療福祉業界と言う、アンビバレントな問題に立ち向かう。
湖山Gは、現場の経験の長い幹部が理事になる。
では、評議員は。
昔は、地域の人格、識見の高い方になって頂いた。
ビジネスマン、企業関係は、少なかったと思う。
今は、そういう方を探す事が難しい。
介護保険、福祉事業を、ビジネスと捉える人が多くなったので、医療福祉事業としての見識を持つ人を選ぶのが、かえって難しくなった。
幹部職員から、理事を選ぶ。
でも、評議員はどうするか。
幹部の職員。地域の他の社会福祉法人の役員。大学教授。
などが考えられる。
湖山Gは、実験的に、若い職員を評議員に、教育的効果を期待して抜擢したこともある。
昨年は、外国人職員も選ばれた。
実は、最後に残る問題は、私の任期である。
私の後継の理事長をどのように選任するのか。
創業者で、寄付者で、すべての借金の個人保証人でもある。
私の後任選びは、役員、顧問と常に検討している。
社外取締役と評議員は、同様の役員選任の責任を担っている。
中小家族経営の多い、日本の社会福祉法人の大きな課題だ。
今のままでは、後継者はいなくなってしまう。
このままでは、上場を果たした金持ち経営者の寄付事業になる。
それも、望ましいと思うのだが、医療福祉法人の役員には、勘定と倫理の両手の経営が求められる。
本来、社会福祉法人の事業には、経営など要らなかったはずだ。
今は、最も経営能力が求められる。
その事を、社会は知らない。
医療福祉バブル崩壊と心配するのは、現場のスタッフ不足だけではなく、経営人材も足らないと思うからだ。
優秀な人は、皆、儲かる給料の高い会社に行ってしまう。
直美と言われる、若い医師が美容整形に行ってしまう問題だけではない。
福祉事業を、税金ではなく、一般収益事業として、株式会社に担わせるのは、やむ負えないとしても、業界全体の健全性を維持するには、どうしたら良いのだろう。
答えは、見つからない時代になったと思う。
今は、誰も、触れたくない問題になってしまった。
血糖140 今朝は寝坊した。昨日の防災訓練で疲れたのかもしれない。
外には雨音が聞こえる。
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長 湖山泰成