母と子の映画会

泰成君が、人生で最初に観た映画は、「子犬をつれた貴婦人」だと思う。
小学校2年か3年くらいで、母と叔母に連れられて。
ロシア文豪作家のチェーホフ原作の映画なので、泰成君が観たい訳がない。
母が叔母と観に行くのに、連れていかれたのだ。
母と叔母が、何か話し合いたい事があったのだろう。
2人は、映画をろくに観ずに、おしゃべりばかりしていた。
でも、ストーリーが難しすぎて、わからず、母に聞くと、うるさいと怒られた。
そんな記憶しかない。
でも、スクリーンの中で、パラソルを何時も手にしている貴婦人の姿は、覚えている。
泰成君は、映画も、演劇も、コンサートも、歌舞伎も、宝塚も、プラネタリウムも、みんな母親に連れて行ってもらった。
1人では行けないのだから、当たり前だ。
その記憶は、母の記憶となって、一生忘れない。
湖山Gでは、毎年、母と子の映画鑑賞会を主催している。
夏休みの頃に、映画館を借り切って、子供が喜ぶ映画、大抵はアニメになるが、鑑賞会をする。
職員も子供を連れてくる。
育児をしている母親は、映画館に行けない。
赤ん坊が泣いても、幼児が映画館を走り回っても構わないで映画を楽しむ時間を作る。
また、映画のチケットを配る。
今月は、オズの魔法使いの前日談となるミュージカルの映画のチケットを、母子支援施設の家族に送る。
映画も、母の面影も、その子の一生の思い出となる。
泰成君と同様に。
私は、そう信じている。
血糖151 東日本大地震の時、3台のヘリで気仙沼に飛んだ日となる。
この日の事は、映画のように思える。撮影をしておけば良かったと、何時も悔やんでいる。
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅副会長 湖山泰成