偉い人とは

泰成君は、偉い人、天才に憧れていた。
ジョン・F・ケネディや、マハトマ・ガンディーや、野口英世や、アインシュタインや湯川秀樹のような人である。
小学校の図書館で読み尽くした偉人伝、伝記で知った、歴史を作った人に。
少なくとも、長島や王のようなスポーツマンには関心がなかった。
子供の時から、父のおかげで、日本の偉い人を垣間見る機会は多かった。
偉い人の特徴は何か。
どんな偉い、怖そうな人でも、子供には、無邪気で優しかった。
泰成君は気がついた。
子供にも、怖い人は、実は、気の小さい、見栄を張った臆病者だと。
その人の身繕い、おしゃれ、持ち物も記憶に残る。
鼈甲の眼鏡。杖。帽子。ハンカチ。ポケットチーフ。
そして、チョッキのポケットから出す懐中時計と、小さなポケットナイフ。
ズボンのポケットから出す、裸の1万円札。
それを持ったからと言って、偉い人になれるわけではない事も、泰成君は知っている。
誰から聞いたのだろう。
本当に偉い人は、財布を持たない。
今なら、携帯を持たない人だろう。
自分は財布、携帯を持たなくても、生活に困らない人だ。
鍵も持たない。
家には、いつも誰かが、待っていてくれるわけだ。
その話のオチは、その人は、天皇陛下だと言う。
成程。
そういえば、チャールズ国王は、皇太子の頃から、洋服のポケットには何も入れず、全て随行の秘書が鞄に入れていた。
服のポケットの形が、崩れるのを気にしてとの事。
流石。
もう一つ思い出した。
天皇陛下は、ふぐを召し上がらないそうだ。
安全の為かもしれないが、天皇でも、1つ位、召し上がらないものがあっても良いとの考え方だと。
この話は、宮中の料理長の話だっとと思う。
泰成君は、エビとカニが食べられなかった。
これは、単純にアレルギーだったからだ。
誤解のないように。
大人になったら、普通の量なら、美味しく食べられるようになった。
ご安心を。
と言っても、誰も幸せになるわけではない。
テーブルの他の人の取り分が減るだけだ。
これは、父に言われた。
偉い人は、時に無神経な事を言う。

能登地震252日 血糖166 夕食は葡萄
湖山G代表 サンダーバード代表 健康の駅理事
毎朝のカフス  湖山 泰成

銀座湖山日記

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