民の経営力と官の良識

理想的な、両手の経営である。
そして、その経営トップは、リスクの責任を取らねければならない。
端的に言えば、経営オーナーが逃げずに自己破産する覚悟があるか。
そこまで、自己を追い詰める必要があるのか。
自問している。
保育園も、特養ホームも、幼児や後期高齢者の地域住民数で、許可枠が決められる。
つまり、ニーズが保証されている。
過去、常に保育園や特養は足らない前提で、作って、スタッフを確保すれば利用者を募集する営業は必要なかった。
しかし、最近、首都圏では、保育園の定数が埋まらないとか、特養も稼働が満たされないなどの現実があり、経営的に危機を迎えつつある。
しかし、運営する法人の理事長や施設長、相談員に、危機感が薄く、行政が面倒を見てくれるだろうと考えている人が多い。
医療法人も、社会福祉法人も、所詮、民間法人である。
ここ数年、社会福祉法人の民事再生の例も出てきた。
社会保障の事業で、基本は法制度と税金で成り立っている。
行政指導もあり、民間自立の経営の自由度は少ない。
公立保育園、小学校の職員のような気質で、サービスの質には拘るが、経営は心配する必要はないと考える。
これは、昔の国立病院と同じだ。
関係者の為に、今は違うと言っておく。
公立病院の経営者に、経営面でも英明な院長が多いからだ。
むしろ、最近は、社会福祉法人の経営者に自覚の乏しい人が多い。
官民経営者のセンスの違いに、補助金と金融制度の受け止め方の違いがある。
実は、民間法人においても、官業的な甘えは多い。
補助金は、通常収益では赤字になってしまうから補助金が出ているのに、補助金の分だけ、立派な建物を建てたり、過剰に贅沢な機器を購入してしまう民間法人が多い。
建物を流動化して、一時的に借金を減らしても、翌月から高い家賃を払わなくてはならないので、月次収支の赤字はもっと増えてしまう。
建物を流動化して一時的に資金を得ても、最終的には経営的に破綻する法人が多い。
コロナ補助金と融資を同一視してしまい、返済責任を甘く考えてしまう。
コロナ融資も、やがて返済しなければならないのに。
湖山は、施設は借家をせず、原則自己所有とする。
収益をあげ、自己償却をして、借金を返済する。
毎月、全ての施設、法人は黒字でなければならない。
民間事業ならば当たり前。
民間法人の経営幹部なら当たり前。
でも、医療福祉の経営幹部は、官僚化しており、経営リスクを考えない人が多い。
民僚とか、親方日の丸とか言われる。
官業の民営化と叫ばれるが、これでは民営化の意味がない。
医療福祉の民間法人のスタッフには、企業のような厳しい環境ではないだとうと甘えている人が多い。
医療福祉教育の新規事業の開設も、事業再生も、高い経営力がいる。
法律、不動産、金融の専門的知識がいる。
何よりも、社会的教育的事業の高い見識と、患者利用者職員に対する深い愛情がいる。
その自覚と覚悟のある経営幹部はどれだけいるだろうか。
私は、湖山Gに1人でも多く、責任感と能力のある幹部を育てたい。
その為にも、職員へは、高いコンプライアンスを要求する。
優秀でなくとも、頑張らなくても、皆んなで助け合えれば、この仕事は成り立つ。
そんな、私の甘い理想は撤回する。
荒療治をしてでも、なんとしてでも、これから迎えるであろう嵐は乗り切る。
でも、民間の湖山Gに、それだけのスタッフがいるかと言うと、これも心許ない。
湖山Gの経営においても、私自身が審査確認しなければならない案件が増えている。
善良で無知な医療福祉法人を騙そうとする、悪徳なコンサルタントやブローカーが暗躍し始めている。
それら狼から、善良な羊の群れを守のが、湖山Gの経営幹部の仕事である。

羊である事を、やめる。

パルスオキシメーター 96・95・96
体温36.6 血糖160

番犬 グッドシープ 代表 湖山 泰成

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