自分が帰属するところ
1人山に登り、修行する。
1人ヨットにのり、太平洋を渡る。
1人書斎に籠り、小説を書く。
1人図書館に籠り、歴史書を書く。
1人研究所に籠り、病原菌を発見する。
街をさすらう、孤独な正義のガンマンは、映画の主人公だ。
でも、実際は、1人では生きていけない。
特に、歳をとると、より一層感じる。
自分のよって立つ、帰属する集団は何か。
家族、親戚、村、町、県、国、民族、国家、宗教。
でも、それは、また、いさかいや、紛争、戦争の母集団ともなる。
今の社会は、帰属意識が薄い。
でも、目に見えないが、やはり、人間は、群れ集う。
タレント、スターのファンクラブの推しもそうだろう。
政治団体も、人気政治家も。
私が子供の頃は、親の就職先の病院がそうだった。
生涯、東大出身虎ノ門病院ファミリーの医者として生き続けた。
特に、日本は、大企業が、出身地元会よりも、人生に対して影響力が強かったと思う。
大企業就職者でない、個人企業の人は、宗教や、趣味の会での活動に熱心だったと思う。
逆に言うと、大企業で役職者に、宗教や趣味に没頭している人は少なかった。
自分の所属する大企業が、宗教であり、同郷であり、親戚だった。
それくらい、影響力が強かったし、また、生活の面倒を見た。
生涯にわたって。
社宅、年金、検診から病気の時の生活支援まで。
怪我をしたら、介護費用まで。
また、そういう企業は、出身大学は、有名大学ばかりだ。
その、同質な社員ばかりで、会社の組織文化が増成された。
今は、大企業ほど、リストラ、子会社、派遣、非常勤、グループ企業の株の持ち合いの禁止。
都会の、大企業の健康組合、労働組合も、昔ほどではない。
今でも、地方の、自治体役場や、農協、漁協のような、地域職場団体は、結束力は強い。
退職後も、生涯、その地域の住民である限り、拘束力は強い。
だから、頼りにできるのだが。
その功罪を論じているのではない。
むしろ、その存在と力が、日本の地域社会から失われつつある事を心配している。
湖山Gと言う、職場、会社、グループが、その代わりの生きる事の生活の支えになるだろうか。
出過ぎた、余計な事と思う職員もいるだろう。
職場の人間関係など、負担だ。
職場の旅行や、イベントも楽しくない。
給料だけ多く、休みだけ多く欲しい。
あとは、1人の勝手にさせて欲しい。
そう願う人も多いだろう。
でも、それで、たくましく、楽しく、豊な生活を送れる強い人は、多くないと思う。
気の弱い、不安な、孤独な、優しい、寂しさを感じる人間の行き場はどこにあるのだろう。
私もその1人だと思うのだが。
だから、湖山Gを作ったのだ。
人の為ではなく、自分の為に。
だからこそ、湖山Gの理念は、嘘偽りのない、本物なのだ。
湖山Gはそうありたい。
いつもそう願っている。
自分の人生の為にも。
私の戦友たる職場の友人の為にも。
その家族の為にも。
パルスオキシメーター 98・99・97
体温36.6 血糖172
荒野の素浪人 代表 湖山 泰成