遠い幼稚園
泰成君が通ったのは、幼稚園。
ママが卒業した女子大の附属マンモス幼稚園。
小学校からは、女性しか進学できないのだが、何故か、幼稚園には男の子も通える。
いや、女子専門幼稚園というのがいけなくて、ある程度男の子も必要だったのかもしれない。
男の子が足らないので、自然に卒業生の子供中心に集める事になる。
妹も、その女子大に幼稚園から入園して、大学迄エスカレートに進んだ。
母親、姉妹は、その大学卒業生、男だけが、その幼稚園に入り、小学校からは、受験校に進学する。
私は、千代田区の公立の小学校、中学校、そして都立高校に進んだ。
伸び伸びと育った妹は、その頃から羨ましいと思ったものだ。
大学受験はともかく、小中高の受験戦争は過酷だ。
もっとおおらかでも良いと思う。
と言うのは、泰成君は、この幼稚園に入園する為に、その幼稚園の近くの幼稚園進学塾に事前に通った。
両親は教育熱心とは言えなかったと思うが、母は、なんとか、長男をその母校の幼稚園に入れたかったわけだ。
同窓の、幼稚園の教師に頼まれたのかもしれない。
とにかく、その遠い幼稚園に通ったのだから。
当時、その幼稚園は、自宅から電車で1時間くらいかかったのではないかと思う。
朝は、パパが、通勤の車で送ってくれた。
帰りは、ママが迎えに来てくれる。
専業主婦だったから、可能だったのだ。
今は、時代が変わった。
保育園は、自宅から500メートル以内が理想だそうだ。
適正配置は、難しいのかもしれない。
単独保育園、幼稚園よりも、他の福祉施設と併設で、複合福祉教育センターとするしか維持できないと思うのだが。
迎えに来る、遠くからの母の姿は、今でも覚えている。
そういえば、毎日、オシャレをしていたと思う。
帰りに、フジヤで、チャーハンを食べたのを思い出した。
人生の記憶の井戸は、まだ、枯れたわけではなさそうだ。
パルスオキシメーター 99・98・98
体温36.6 血糖179
ママは何でも知っている。うちのパパは世界一。 代表 湖山泰成