迷子札
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現在、全国で認知症不明者が18000人いる。
その殆どが、1週間以内に所在は確認されている。
介護施設では、開放的な施設ほど、1人で施設外に出て、捜索しなければならない事が現実に存在する。
農村地域だと、地域放送で探したりする。
自宅に戻っている事も多い。
でも、お金もないのに駅に入り、電車に乗ったり、電車を止めて損害賠償の訴訟になったりする事件もあった。
最近、問題となった、マイナーカードが、その防止にも役立つだろうか。
免許証サイズだが、認知症で行方不明になる人が、常時携帯するとは考えにくい。
常時体に携帯し易い形を考えよう。
まず、思い浮かぶのは、戦争映画で良く観る米軍認識票、IDタグ。
長方形の金属板に穴を空けてチェーンを通して、首に掛ける。
社会保障番号や、血液型がプレートを掘って、書かれている。
死体となった兵隊の首からちぎりとるシーンが多いので、気分が悪いと思う人がいるかもしれない。
近い物を探したら、犬や猫につける迷い札を思い立った。
さらに、幼児につける迷い札、迷子札もある。
腕につける、インフォバンドもあるらしい。
老人用には、おしゃれなブレスレッドにしてほしい。
金銀にすると、盗まれそうだから、真鍮でも良い。
ICチップを埋め込んで、健康データ、健康保険証番号を入れてはどうか。
はたと気がついた。
それなら、チップを腕に埋め込んでほしい。
更に、健康保険証番号を、刺青で、肩に掘り込もう。
ちょっと、かっこいい気がして来た。
人生の荒波と戦って、生き残った老兵に相応しい勲章ではないか。
反対側の肩には、キャッシュカードの暗証番号も掘り込もう。
果てしなく、妄想は続く。
パルスオキシメーター 98・99・99
体温36.1 血糖185
銀座の迷子 代表 湖山泰成
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