お酒を飲まない文化
私の人生の前半は、社会は、お酒に溢れていた。
大人になる通過儀礼は、乾杯の数だった。
先輩とは、後輩にお酒を教える存在だった。
選挙運動は、毎日、後援者と商店街でお酒を飲む事だった。
政治家の政経文化パーティーは、水割りの代名詞だった。
学会も、夜の懇親会は、学説よりも、コップの氷の音が記憶に残る。
銀座の救急病院には、毎日のように泥酔して救急車で運ばれる患者がいた。
早慶戦で慶應が勝った夜は、銀座は泥酔した学生が溢れた。
早稲田が勝った夜は、新宿が騒がしかったらしい。
私の人脈のキーワードは、医療、政治、地方創生、そして銀座。
地方に介護施設を作る為には、地元と懇親会が続く。
地方の人の方が、しっかりと酒を飲むのだと教えられた。
ウイスキーよりも、日本酒を沢山飲む方が大変だとも悟った。
そういえば、出張の新幹線や飛行機で、酒を飲む人を見なくなった。
とにかく、全国の温泉と、地酒は詳しくなった。
そんな、人生もコロナ以来、パタっとお酒の席もなくなり、その後も、酒瓶を手にする機会は無くなった。
勿論、バーや、クラブといった心休まるところに誘ってくださる先輩もいなくなった。
これは、自分が歳をとったせいもあるが。
とにかく、日本人は、酒を飲まなくなった。
日本人の寿命が伸びたのも、コロナ後の入院患者が減ったまま戻らないのも、アルコールのない社会になったからだと思う。
良い事に違いなく、文句の言いようがない。
かくなる小生も、健康長寿を目指し、酒のない人生、世界を生きている。
酒がないと、映画も音楽も人の性格も違って見える。
宗教によっては、アルコールのない世界となっている。
お酒を飲む人も、飲まない人も、仕事の世界では、同じ。
お酒を飲まないと、仕事にならないなどと言う事はない。
むしろ、人間関係で誤魔化される事もなくなる。
接待で持っていた営業など、なんだったのだろう。
心配になるのは、お酒の会社の売り上げだけだ。
最近、ウイスキーの会社の会長の不法サプリメントの事件があった。
お酒でストレス解消はできなかったのに、違いない。
血糖 173 ジンジャエールで、ハイボールを偲ぶ。湖山泰成
